日本市場向けスマートフォンの先行き

とうとうディズニーモバイルまでがスマートフォン投入を発表した。

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101101_403979.html?mode=pc

投入決定にあたっては、なんらかの市場調査等をしてディズニーモバイルのユーザー層でもスマートフォンの需要があると判断したのだと思う。

一方で、ディズニーモバイルのようなキャリアがスマートフォンを投入して利用促進施策を取ることが、ユーザーのスマートフォンニーズをさらに掘り起こすことにもつながって、その相乗効果でスマートフォンマーケットが拡大していくのが2011年の日本国内の携帯電話市場であると見て良いのではないかという気がする。

とはいえ、ケータイ(フィーチャーフォン)ユーザーがいきなりフル装備のスマートフォンを使いこなすというシナリオも現実的ではない。記事にもあるように、スマートフォンならではの楽しさを提供する一方で、なるべくケータイとの落差を感じさせない端末やサービスの工夫が求められることになるだろうし、そうであれば、ディズニーモバイルなどが投入する端末はどれだけケータイとの差異を埋められるかが成功のポイントになる気がする。どれだけキャリアカスタマイズ・日本カスタマイズが出来ているかが勝負、ということ。

ただ、そういう流れは、数年といったレベルの一過性のものである可能性もあるのではないかと思う。これまでケータイに必需とされてきたワンセグやケータイメール(アドレス)などが、スマートフォンを使い込むうちに要らないと感じるユーザーが増えて行くかもしれないからだ。

そうなると、今度はキャリアカスタマイズ・日本カスタマイズは不要で、むしろ世界同時発売で最新機種が手に入るとか、OSのバージョンアップが早いといったことがユーザーニーズになってくるのかもしれない。

その時、国内向けにカスタマイズすることにしか活路を見い出すことが出来ない端末メーカーは、非常に苦しい局面を迎えるのではないかと思う。

もちろん、カスタマイズがずっと求め続けられるかもしれないけれど、そうであるとしても、人口が増える見通しを描けない以上、国内市場のパイが本質的に拡大することは望めない。

カスタマイズした国内メーカーのスマートフォンは、来年一定の成功を収める可能性はあるけれど、その先に待ち受けている事態を見据えておかないといけないし、商品開発の判断はより一層慎重にしかし素早く行うことが求められそうな雲行きだ。