モバイルルーター/テザリングとバッテリー容量

この冬にauWiFi WALKERを出すことで、主要3キャリアのモバイルルーターが出そろうことになる。この手の製品はいずれも電池の持ち時間がカタログ値で4時間程度、ドコモのモバイルWiFiルーターだけは約6時間ながらその分本体のサイズも重量も他の製品よりも大きめだ。

調べてみると、こうしたモバイルルーターの電池容量は1500mAh前後。標準的なケータイ(フィーチャーフォン)だと700〜800mAh程度だと思うので、電池容量は2倍近い。それにも関わらず連続で4時間程度の通信しかできない、ということは、もしこうしたケータイでテザリングを行った場合、連続通信は、電池容量の関係で2時間程度しかできないと考えた方がよい、ということなのだろう。実際、こうしたケータイに接続することでモバイルルーターとして使えるユニークなauの周辺機器NEX-fiの通信時間は約2時間となっている。

そうなると、もしスマートフォンなどでテザリングが実現したとしても、通話等にも利用することを考えると、フル充電してもせいぜい数時間しか利用できないものと考えた方がよさそうだ。

iPhoneに搭載されているバッテリーは、3GSの分解データによると約1200mAh(3.7V 4.51Wh)テザリングを3時間程度すればバッテリーがなくなってしまうということだろう。

以前は、テザリングが実現するとモバイルルーターと携帯端末をひとつにまとめられて便利になるかと思っていたのだけれど、どうやら今の状況では現実的ではなさそうだ。もちろん、電池の性能が改善されるなどによって、この問題が解決される可能性はゼロではないものの、モバイル燃料電池の内蔵化も一向に進んでいないことを考えると、短期的には難しそう。

キャリア各社がテザリングに消極的なのも、回線容量というより電池容量の問題なのかな、と思うこのごろ。当面は、エネループのような外部電池とか、いわゆる”バスタブ電池”などの交換バッテリーでしのいでいくのが現実解になりそうだ。主なモバイルルーター向け交換バッテリーとエネループを探してリンクしておいた。蛇足ながら、エネループは一見同じに見えるけれどスペックが違う新製品が出ているので購入時は要注意。