モバイル・メールアドレス・ポータビリティ?

総務省のどの研究会なのか、記事からは判然としないが(しかも、朝日だけが記事にしているようだ)、先日のエントリに書いた、SIMロック解除を実効的にするためのひとつの課題に手をつけようとしているらしい。

http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200809090322.html

総務省の研究会が9日、契約する携帯電話会社を変えてもメールアドレスを変えずにすむ「メールアドレス持ち運び制」を検討する考えを打ち出した。今月内に報告書案をまとめ、実現に向けて議論を進める。

iPhoneに対してソフトバンクモバイルが付与しているようなPC等からも利用可能なメールになると、迷惑メール対策の問題は出てくる。一方で、PCなど他の機器からも利用するなら、共通のメールアドレスをケータイからもPCなどからも共通に利用できることになり、更にそれがIMAP対応となれば、クラウド側にメールボックスを置いて、ネット接続が確保されていればどこからでも常に最新のメールボックスを参照できるという、今のケータイメールにはない利便性を提供できる可能性もある。これは、iPhoneGmailやMobile meメールなどを使うことで実現されているサービスと同じ。

最近、メールはもっぱらiPhoneで受けている自分からすると、2台持ちしている今までのケータイ宛に送られてくるケータイメールの存在は悩ましいものがある。特にドコモのiモードメールは自動転送ができないので、iPhoneでまとめて確認することができない。うっかりするとiモードメールあてに来たメッセージを見過ごしてしまうということが発生するようになってきており、不便に感じ始めた。iモードメールの使用を控えることで、iPhoneでまとめてチェックできないメールを減らそうと思っているところだ。

もっとも、こういう不便さを感じている人は、少なくても現時点では少数派なのだろうと思う。先のエントリにも書いたとおり、このような不便の解消をユーザーの多くが求めているのか疑問なところではある。複数のメールアドレスの送受信をまとめて管理出来るという利便性に、ユーザーの多くが気づいていないのだとすれば、それを周知啓発していく、ということも必要になるだろう。

また、ケータイ各社から(将来的に)共通に利用できるケータイメールとしては、例えばTANGOメールがあるが、現状では接続先設定の変更が出来るのがドコモ端末だけとなっているらしく、auソフトバンクモバイルからは利用できないため、今のところはポータビリティが事実上確保されていない。

TANGOメールのようにケータイメール相互内のポータビリティでよしとするのか、GmailのようにPCなど含めて広く様々な機器から使えるメールアドレスに移行させるのか。

モバイル端末からであっても、モバイルに特化した機能限定的なネット利用ではなく、フルサービスのネット利用を推進するべきという立場からは、少なくても両者を並存させる方策を取るべきではないか。閉じたケータイメールと同等程度のユーザビリティを、標準的なPCメールをケータイ端末から利用する場合にも確保してほしい、というのが私の個人的な意見だ。