Android Dev Phone1 を試用する(1)

12月の半ばにAndroid Dev Phone1(以下ADP1)を入手したことは以前触れたが、これをアクティベートし、ちょうど機会があったのでアメリカでも現地のSIMカードを入れて試用してみた。そのレポートとともに、iPhoneとの使用感の違いや、今後のAndroid端末の進化などについて、思ったことを書いてみたい。

長くなりそうなので、今後数回にわけて書く予定だが、まずはアクティベーションの顛末から。

■アクティベショーン

ネットでの注文から1週間そこそこで届いたADP1は、そっけない紙箱にはいっていて、箱には品番やシリアルナンバーなどを書いたラベルが1枚貼られているだけの状態だった。


ADP1を入れて届いた白箱に乗せた、iPhone3GとADP1。縦はほぼ同じ長さだが幅がADP1は細い。



開発者用ということだからなのだろう、箱をあけても、同梱されている紙類は日本の携帯電話の取り説と比べるレベルのものではなく、iPhoneと同じように、一枚の紙を折りたたんだリーフレットに簡単な基本操作が書いてあるのと、別紙に初期のキャリア設定のためのAPN(Access Point Names)のwebサイト情報が書いてある程度。APNの紙は箱内の本体と同じ空間に入っていたのですぐに気がついたが、基本操作のリーフレットは紙箱のフタに相当する部分に入っているので、しばらくその存在に気がつかなかった。このほかに、充電用のACアダプター*1、マイクつきインナーイヤータイプのヘッドホン、USBケーブルが入っており、付属する1GBのSanDiskmicroSDは、最初から本体のスロット*2に刺さった状態で届いた。


microSDスロットのフタの部分。黒い筐体に黒いフタなので目立たない。

本体の電源をいれると、まずGoogleのアドレスとパスワードを入力してアカウントにログインすることを求められる。このときにネットに接続して認証するらしいが、この時点では携帯電話経由でしかネットに接続できないようで、無線LANを使ったアクティベーションは、試みたもののできないようであった。このアクティベーションをへないと、ADP1の機能は何も使えないと言ってよい状態だ。

最初はdocomoの緑SIMを使い、docomoのAPN情報をいれて何度か試みたが、うまくいかなかった。moperaの登録が必要なようだ。それだけのためにmoperaの契約をするのも諸事情あって避けたかったので、だめかもしれないと思いつつも、他キャリアのある機種専用のSIMを挿入し、APNの情報を入れたところ、すんなりアクティベートできてしまった*3

同梱の紙に書いてあるAPN情報は古いものもあるようで、日本の場合、私が見た時点では、いまだにSoftBankVodafoneのままになっていたりした。これについては、サイト記載のAPNでうまくいかない場合、最新の情報をwebで探す必要がある。

ここまでくれば、あとは通話関連以外の機能は無線LAN経由で使える。

GmailIMAPで勝手に同期されるし、アドレス帳(contacts)もGmailのものが自動的に反映されていた。新規のメールが入ると、液晶画面が消えていても、液晶画面の上にある、通話用スピーカーのスリットに仕込まれたグリーンのLEDが点灯するので*4、一目でわかるようになっている。なお、電池切れ・充電中の場合、赤のLEDが点灯する。

操作は、画面がタッチパネルになっているので触れて操作することはもちろん可能なのだが、画面下中央にあるトラックポイントボタンと、その左のホームボタン、右のやり直し(戻る)ボタンを使うほうが、片手での操作がしやすい。ただし、文字入力については、少なくても現状はソフトキーボードが出てくるわけではなく、液晶をスライドさせて、本体を横位置にしてハードのキーボードから入力しなければならない。これは少々不便に思ったが、ソフトキーボードに対応させてタッチパネルでの入力が可能になれば解消するだろう。

横位置でハードキーボードを使う場合、右側にボタン類の操作部があって、その厚みがキーボード部分よりも盛り上がっているので、若干右手側の入力がやりにくい。ただ、キーボード自体は、小さいながらも反応も悪くなく、MENUボタンとShiftボタン(↑ボタン)の位置が、慣れるまで若干戸惑うことをのぞけば、このサイズに収めたキーボードとしては上出来といったところだろうか。

ブラウザーを使う場合、パソコンやiPhoneのように画面上(または下)にあるメニューバーで操作することに慣れていると、ADP1の場合、ハードキーのMENUを押して画面上にメニューを表示させる方式なので、ちょっと戸惑う。


Androidマーケットで日本語化アプリを入手

Gmailの受信メールやウェブサイトなどの日本語の表示は、漢字が若干日本のものと違うところがあるが(おそらく、台湾の繁体字ベースなのだろう)、カタカナ・ひらがなも含めて、何もしなくても文字化けせずにちゃんと表示される。ただし、本体の操作のために表示されるメニューはすべて英語で、一通り設定のメニューを見てみたが、言語選択はできないようだ。メニュー自体はそれほど難しい英語が使われているわけではないので慣れれば気にならないだろうが、メールにせよ検索にせよ、日本語入力が使えないのではちょっと不便。。

webで検索したところ、いくつか日本語入力を可能にするアプリが公開されているようだったので、Marketからsimejiを選んでインストールした。

使い方は、日本語を入力したい場合、simejiを起動して*5,入力したい日本語の文章を作成したら一旦コピーし、その後文章を入力したいアプリを起動してその入力画面でペーストすればよい。直接日本語を入力するよりは煩わしいし、長文の入力には向かないが、Twitterくらいのメッセージや、検索ワードを入力する程度であれば、十分に実用的だった。

以上が、ざっとした概括的な使用感である。

ここまであらかた把握・試用したうえで、ADP1をアメリカに持っていき、SIMを購入して実際に携帯電話として使用した。そのレポートについては、稿を改めて書くことにする。

*1:100‐240V対応で、日本のコンセントにそのまま挿せた。このACアダプターの対応のために、購入可能な国を限定しているのかもしれない。余談だが、このACアダプターは、iPhone用のTV&バッテリーと規格が同じなので、共用することができる。

*2:本体左側のグリーンの通話ボタンの真下にスロットがあり、左サイドにフタがついているが、ちょっとわかりにくかった。

*3:もちろん、この方法はキャリアが推奨したり認めたりしているものではないので、moperaでのアクティベーションを推奨したいし、私が試みた方法でのアクティベーションは、各自の判断と責任において行って頂ければと思う。

*4:音を鳴らす設定にもできる

*5:マルチタスクなので、常駐させておけば、上のメニューバーを下にドラッグし、simejiのアイコンをクリックすればすぐに立ち上がる