そろそろ出はじめた、実用的なiPhone活用本

iPhone3Gの発売から2ヶ月あまりたって、少しづつ実用的なiPhoneの活用本が出てきはじめた。

iPhone発売直後には、ほぼiPhoneの商品マニュアルという内容の本が沢山だされたが、実際に購入する価値があるかというと、正直なところちょっと疑問なものも多かった。

しかし最近発売されたばかりで、早速購入して読んだiPhone HACKS! 楽しんで成果を上げるハイセンス仕事術」は、著者の小山龍介さんが実際に試して書いている(正確には、あとがきにあるように口述をまとめた)もので、商品マニュアル本からは、もちろん一歩も二歩も踏み込んだ内容。これまで小山さんが世に出し続けてきたハック本シリーズのノウハウをiPhoneを活用するという視点でまとめ直し、新たに付け加えたものといえる。

著者のこれまでの本のなかでは、共著の「IDEA HACKS!」が個人的にもっとも気に入って手元に残してあるが、ここに書かれた内容の多くが、iPhoneを使うことでもっと効率的になったり新しいやり方に置き換えられるな、と思っていた矢先にこの本が出た。

手元にある「IDEA HACKS!」も含めて、ビジネスをクリエーティブにするアイディアが一杯。私の周りでも、まだiPhoneを活用している人は思いのほか少ないのだけれど、iPhoneを”電話ができるipod”というくらいにしか考えていないからなのかもしれない。そういう人には、「iPhone HACKS!」を読んでもらえればiPhoneに対する見方が変わるだろうと思う。

発売から2ヶ月経ったとはいえ、短い準備期間のなかでかなり網羅的にiPhoneの活用ハックが紹介されていると思う。iPhoneとは直接関係ないが、仕事のしかたのパラダイムシフト(会社中心から個人中心へ)について書かれた部分(p.117〜121)なども、非常に共感した。

少しだけ難点をあげるとすれば、ところどころに挿されているイラストに、ポイントをおさえたものと、そうでないものが混在していること。大急ぎで作られた本だと思うので致し方ないかもしれないが、これはちょっと気になった。

昨日のDEMOsaもそうだったし、著者の小山さんにも感じる、iPhoneという存在への”熱”は、たとえばAndroidケータイが日本に発売された時にもそうなるだろうか。やはりこれはアップルマジックなのだろうか。

ともあれ、今後、このようにiPhoneを実際に駆使した人がハック・ノウハウ・ティップスをまとめて本として出すことを楽しみにしているし、それがこれから成長していくであろう、今はスマートフォンと呼ばれているジャンルの携帯電話がちゃんと日本でも根付いていくきっかけになれば、と思う。それがたぶん、これからの日本の国際競争力を考えるときに、無視できない要素になると思うからだ。