PCスキップのFMC機器 au BOX

au/KDDIから、au BOXが発表された。


au携帯電話または、ひかりone TVサービスの契約者を対象に、月額315円でau BOXをレンタルし、ケータイとテレビを直接結びつけるサービスを提供しようというものだ。

CDプレーヤー・着うたフルプレーヤーとして使える「音楽機能」、DVDプレーヤー・LISMO Videoプレーヤー・ひかりone TVの受信セットトップボックスとして使える「映像機能」、TVでネットサイトをみられる「インターネットブラウザ機能」が大きな柱。ダウンロードして購入した音楽やビデオを、テレビでも携帯電話でも楽しめる、という機能は、アップルのAppleTVに似ている。

無線(携帯)通信と固定通信の両方のサービスを提供するKDDIが、まだ原初的な段階ながら2つのサービスをつなぎ合わせてサービスを提供するという点で、これも広義のFMCの一環と位置づけることができるだろう。

また、従来であればPCを介してサービス提供されていたものも、PCなしで利用できるという点で、以前書いたPC=中画面を飛ばして、TV=大画面とケータイ=小画面だけで完結する、という流れにそった製品(サービス)とも言える。

携帯または固定のau/KDDIのサービス契約者に対してのみながら、機器のレンタル料が月額315円、年額にして3780円というのは意欲的な価格であると思う。

ただ、このau BOXの利用には、テレビがあることが前提になっているのだが、

KDDIが自社で行ったマーケティング調査によると...(中略)...自分の部屋にテレビがある人は、調査対象の82%。高校生に限定しても約8割は部屋にテレビを持っているという調査結果が出たそうだ。
「自分の部屋で」「PCレスで」「安価に」楽しめる――KDDI 高橋誠氏が話す「au BOX」の狙い - ITmedia Mobile

という一方で、ワンセグの利用実態に関して、

放送局や調査会社が実施しているワンセグの利用実態調査結果からも分かるが,ワンセグの利用実態としては自室での視聴がかなり高い比率に上る。
出荷2500万台を超えたワンセグ・ケータイ,独自番組やバナー広告の試みも始まる | 日経 xTECH(クロステック)

という結果は、8割の人が自室にテレビがあるというKDDIの独自調査結果と矛盾するようにも思える。

au BOX1台に対して、auのケータイ1台を対応させて使うものであるだけに、リビングのTVに接続して、家族それぞれのケータイを接続させるといった使い方はできないようだ。

サービス内容と価格的には魅力的なものだと思うのだが、このTVの問題が普及するかどうかのカギを握るような気がする。ともあれ、通信キャリアの新たな取り組みとして注目に値するサービスではないかと思う。