”じゃじゃ馬”iPhoneを使いこなす8つの心得(少し年上の友達へ)

ちょっと年のはなれた友達*1が、私がiPhoneを使っているのをみて、買おうかなぁと考え始めているらしい。でも、今までの携帯電話をはじめデジタル系の機器については、若くてデジタルが得意な人の視点ではなく、一般的なユーザーの視点から一家言ある人なので、なかなか彼からiPhoneが”合格点”をもらうのは難しそうだ。

「もし買ったらいろいろ教えて」と言われ、どんなことを最初にアドバイスすればいいかなぁと考えていたので、メモ代わりにまとめておこうと思う。すでにiPhoneユーザーにとっては当たり前のことも多々含まれるとは思うけれど、こういう類いのものは決して得意じゃないけど使ってみたいという人には、iPhoneを買う前にこんなことを伝えておくべきかな、と思ったことを挙げてみる。”合格点”はもらえなくても、怒って投げ出してしまわれないように、ということを目標に、8つにまとめてみた。


■ふつうのケータイが国産(大衆)車なら、iPhoneはポルシェみたいなもの。

まず、この点を理解してもらうことじゃないかと思う。
日本のケータイはある意味で至れり尽くせり、”調教の行き届いたおとなしい馬”、車でいえば国産(大衆)車だけれど、少なくても今のiPhoneはまだまだ”じゃじゃ馬”。車なら、さしずめポルシェあたりだろうか。その”じゃじゃ馬”慣らしを楽しむくらいの気持ちで使ってもらうといいと思う。とはいえずっと”じゃじゃ馬”では疲れてしまうだろうから、少なくてもしばらくは今までのケータイとあわせて使うのがよいだろう。むしろ、普段は今までのケータイを使って、iPhoneは”ここぞ”という時に”俺でも使っているよ”、と見せびらかす道具にするくらいのつもりで、趣味のように使ったらストレスもたまらないんじゃないだろうか。
必需品ではなく、嗜好品として捉えるとよいと思う。

■電源オフをこまめに。

つい、スリープボタンを押して画面が消えると電源も切れたつもりになってしまうかもしれないけれど、実はそうではない。パソコンと同じで、電源を入れっぱなしにしていろいろ使っているうちに調子が悪くなってくることがあるから、1日に1回か2日に1回は、スリープボタンを長押しして電源オフにすることがおすすめ。何だか動きがおかしいと思ったときにも、すぐに電源をオフにして、その後で電源を入れるという再起動をすると、ボタンをどう押しても何も動かない、という事態を最小限にすることができると思う。

■アップデートもこまめに。

”じゃじゃ馬”を飼いならすのは何も自分だけの努力ではなく、製造元であるアップルの努力も大きい。その努力の成果が表されるのがソフトウェアアップデート、特にiPhone OSのアップデートなので、面倒かもしれないけれど、マメにアップデートしたほうがいい。
App(アプリ)のアップデートは、App Storeのアイコンの右肩に数字の赤丸がついて知らせてくれるけれど、OSのアップデートはそのようにしては知らせてくれないので、週に1回はパソコンとつないで、バックアップがてらアップデートを確認する習慣にするとよい。

■まずは普通の携帯電話として3Gモードだけで使ってみる。

WiFiを入れっぱなしだと電池の減りが早いが、かといって必要に応じてWiFiのオンオフをするのも慣れないうちは面倒だし億劫だろうと思う。
無線LANにつながないと入手できないアプリがあるとか、いくつか制限はあるけれど、”携帯電話”の延長線でiPhoneを考えるなら、とりあえずWiFiはオフにしたままでしばらく使うといいのではないだろうか。アプリやコンテンツのダウンロードはパソコンから、と割り切ってしまえば、当面私の友達にとって、WiFiがオフだから使えない、という機能はないと言ってもいいだろう。Fring/SkypeのようなVoIPソフトを使いたい、と思うようになる頃には、相当”じゃじゃ馬”慣らしも進んでいるだろうから、そうなってからWiFiとの使い分けを考えればいいと思う。

■圏外が続く時は、一旦機内モードのオンオフをする。

3Gモードで使う時、一番ネックになるのが、iPhoneの電波キャッチが時々鈍感になることだろう。地下鉄に乗っていて、普通のケータイなら駅のホームに電車が止まる頃には、圏外の表示が消えて電波を拾うようになって当たり前だけれど、iPhoneは、どうしたわけかずっと圏外のままだったりする。そういう時には、機内モードを一旦オンにしたあとですぐにオフにすると、iPhoneに強制的に電波を探させることが出来る。とりあえずWiFiは無視しろと言ったばかりなのに、とは思いつつ、ちょっとややこしいがこれだけは覚えておくとよさそうだ。

■電池は使い切らないうちに充電。

iPhoneの電池は普通のケータイの電池と違って、使い切ってしまうとしばらくは電源オンに出来ないくらい電圧が低下してしまうようだ。そうなると、市販の電池を使った充電器は500mAくらいの容量のものが多いこともあって*2、電池を使いきってしまうと、こうした充電器では電源を再びオンにできないこともあるみたいだ。それに、いざというときに使えないのでは、せっかくiPhoneを持っている意味がない。なので電池残量が半分以下になったら、継ぎ足し充電するくらいの気持ちでいた方がいいと思う。電池の性能もあがって、メモリー効果もほとんど気にしなくてよくなっている。むしろ、アップルケアでの延長も含めた保証期間内(購入後2年間)に、無料で交換してもらえるくらいに電池を使い倒す、という気持ちでいた方がよいのではないだろうか。
あわせて、小型のACアダプターと充電用のケーブルは、常に持ち歩くか、自宅とオフィスにそれぞれ常備しておくとよい。

■日本語変換は短い文節で。

iPhoneを使う上で、やはり何らかの文字を入力することは避けられない。特に、普段使っているメールをiPhoneでも、という目的があればなおさら。
iPhoneの日本語入力は、連文節変換にも対応するようになったけれど、短く変換していく方が結局効率的なので、意識的にこまめに変換していくのがおすすめ。日本のケータイにくらべれば、日本語変換の性能は落ちると思うけれど、そのかわり、英語以外も含めて外国語を日本語と混ぜて表示させることはiPhoneなら簡単に出来るし、日本語の変換も、ソフトウェアがアップデートされれば改善されていく可能性が期待できる。その意味で、日本語に関する機能も今は”じゃじゃ馬”だ。


■変換候補が隠れている時は、次候補ボタンで全候補表示に。

変換をしていると、写真のように変換候補が画面からはみ出して、自分が望む候補が見えないことがある。

この状態で画面をドラッグして候補を表示させようとしてもうまくいかない。そんな時は、一番下にある「次候補」というボタンを押し続けると、全画面が候補一覧になるので、そこで選べば大丈夫。


最後に、私の友達に。

相手が”じゃじゃ馬”だと思えば、腹もたたないし、むしろそれを楽しむという気持ちも生まれるだろう。先週の週刊文春中島聡さんのインタビュー記事が載っていたけれど、

本当に面白いソフト開発って、各分野の黎明期の「限りある時間」にしかできない。(中島聡氏) 

というのは、開発側だけでなく、ユーザーの側にも当てはまると思う。せっかくなら、その「限りある時間」を共有した方がいいし、そこにカネでは買えない価値がある。

iPhoneの値段は(たぶん)来年になってもそんなに変わらないけれど、「(黎明期の)限りある時間」は、来年まであるかどうかわからないんだから、待つことには意味がない、と思いますよ。

*1:本当は大先輩なのだけれど、私を友達と呼んで頂いているので、私も友達と呼ばせて頂くことにする

*2:iPhoneの場合1000mA必要なので、購入するときは確認した方がいい。