孫社長の「iPhoneに対する新しい取り組み」とは?

本日開催されたソフトバンクの中間決算発表で、孫社長が明日「iPhoneに対する新しい取り組みについても公表する」と発言したそうだ。(「iPhone 3Gは予定しているペースの数が出ている」とソフトバンク 孫社長 - ITmedia Mobile

もうすぐその内容は明らかになるのだから、あまりここで詮索しても意味がないとは思うが、私的な希望も含めて予測するなら、グループ会社のソフトバンクテレコムが提供している公衆無線LANサービスの「BBモバイルポイント」をiPhone(およびスマートフォン)から利用することを組み込んだ料金プラン、というのが可能性としてあるのではないだろうか。

すでにソフトバンクモバイルは、iPhoneを含むスマートフォンシリーズのユーザーに無線LANアクセスポイントを特別価格で提供し始めている。(ソフトバンクモバイルのサイト)これは、自宅でも携帯(3G)の電波でiPhoneを使っているユーザーに対して、無線LANに切り替えてもらうことで、限られた帯域をなんとか有効活用しようという意図ではないかと推測される。それを外出先でも、というのは自然な流れだろう。

私自身がiPhoneを東京都内で使っていて、実感としてこのところソフトバンクの3Gでデータ通信を利用した場合のスピードが、以前にくらべてかなり落ちてきている気がする。iNetwork Test(http://www.inetworktest.com/)のサイトで計測しても、7,8月頃は平均して300kbps程度が出ていたと記憶しているのだが、ここしばらくは平均100kbps前後、ひどいときだと60kbps台のこともあった。iPhoneだけの理由ではないかもしれないが、ソフトバンク3Gの通信スピードが低下しているのではないかと思われるのだ。

それが、iPhone等のスマートフォンユーザーの増加、特にヘビーなデータ通信の利用をするユーザーの増加によるものだとすれば、これを何とか3G以外のネットワークにスイッチさせたいと思うだろう。そうしなければ、iPhoneだけでなくスマートフォンの今後の販売に悪影響を及ぼしてしまう。自宅で無線LANを利用してもらうためのアクセスポイント機器の提供につづいて、外出先では公衆無線LANを利用してもらおうというのがいつかは現実になるのではないかと思っていたが、昨今の通信スピード低下の実感からして、そろそろそういった発表がソフトバンクからあってもよい時期だと思う。

500円〜1000円程度の月額定額で、BBモバイルポイントで無制限に接続可能にするようなプランであれば、それなりに魅力的な料金プランになる気がするし、ソフトバンクグループとしても増収になるのだから、悪い話ではないだろう。BBモバイルポイントを一定以上利用するなどの条件で、iPhoneのデータ通信料の月額上限を今よりも低くするようなことになれば、さらにユーザーにとって魅力が増すのではないだろうか。

auが27日に発表した、PCを含めたモバイルデータ通信の上限定額の導入(ニュースリリース)といった動きも、直接の正面対決ではないが、わき目で見ながら今後の料金施策を決めていくことになるはずだ。

発表が明日かどうかは別として、3GとWiFiをうまく組み合わせて限られた帯域を有効活用することが、携帯の「インターネットマシン」化を標榜する孫社長・ソフトバンクモバイル *1にとって素直な選択になってくると思うのだが、どうだろう。