OHAにソフトバンクモバイルが加盟、Android Dev Phone 1が到着

ブログの更新がおろそかになっている間に、いろいろなことが起きていく。この1週間ほどの間では、OHA・Android陣営で、気になる動きが2つ。

ひとつは、OHAのメンバーが14社増えたなかに、ソフトバンクモバイルが含まれていること。

Open Handset Alliance announces 14 new members | Open Handset Alliance

Yahoo!Japanを同じグループ内にもち、iPhoneを導入しただけでなく、Appleに働きかけて*1絵文字まで実現させてしまうソフトバンクモバイルが、Googleが主導するOHAに迎えられた背景は何なのだろう。

ひとつ考えられるのは、ソフトバンクモバイルの影響力・ポジションが、OHA/Google側に評価されているということの表れの可能性である。GoogleあるいはAndroidと競合する製品・サービスと近しい関係にありながら、自分の陣営にも取り込んでおくべきプレーヤーと考えられたのかもしれない、ということだ。

ただ、この可能性よりも高いのは、ガラパゴスと言われようが何だろうが、Googleにとって、日本はこれからのケータイビジネスの行方を見極めるテストマーケットとして重視されたという考え方である。なにしろ、携帯電話でまがりなりにデータ通信の利用がビジネス層以外にまで広範に普及しているマーケットは他にないだろう。そのために主要3キャリアのすべてをメンバーに迎えた、という理解だ。OHAを見渡しても、ある国の主要キャリアがすべてメンバーになっているのは現時点で日本しかない。3番手とはいえ20%程度のシェアを持つキャリアを無視するのではなく、むしろライバルであるYahoo!だったりAppleだったりを使っているユーザーをいかに自陣営に取り込んでいくかの戦略を練る上で、ソフトバンクユーザーは格好の”実験動物”と捉えられた、という考え方は、当たらずといえども遠からずではないかという気がする。

ちなみに、このOHA加盟について、ソフトバンクグループ・ソフトバンクモバイルのプレスリリースはこのエントリー執筆時点でもwebに出ていない。AppleYahoo!に配慮したということだろうか。OHAのリリースにあるソフトバンクモバイルのコメントにしても、一歩距離を置いたと読むのが素直だと思う。OHAに加盟したものの、具体的な端末の導入については、しばらくは様子見ということかもしれないし、むしろ国内キャリアでは最初に廉価でベーシックな機能の端末にandroidを載せて出すのがソフトバンクモバイルになるのかもしれない、という気もする。

今後、主要3キャリアがAndroidとどのように関わっていくのか、興味深いところではある。

このOHAメンバー増加のニュースと前後して、T-mobileのHTC製G1をベースとしたSIMロックフリーの開発者向け検証用Android端末、Android Dev Phone 1が、日本を含む18カ国で購入可能になった。こうした開発者向けに端末をまわすことが出来るというのは、すでに発売されている米英での発売直後の需給が一段落しているということだろうか。もちろん、先行するiPhoneApp storeの品揃えに追いつくことがAndroid端末の普及に不可欠であろうから、開発を加速するためにこうした動きになっていると考えられる。

私も、Googleがそう考えているかもしれない”実験動物”の一匹として、iPhoneユーザーからみてAndroidがどのようなものなのかを確かめたいということで、入手してみることにした。12/10にオンラインでの購入手続きを終え、クリスマスシーズンでもあるし、年内に届けばよいかな、と思っていたら、あっさりと12/15に届いてしまった。現物が届いた1日後に配信された、UPSの宅配より遅い発送通知メール(もちろん、Eメール)をもとにUPSのトラッキングデータを見たところ、米国内を12/12に出荷、アンカレッジ経由で12/14には国内に到着していたようだ。

送料約1万円は高いが、それでも開発者登録費用も含めて合計530ドルくらい、今の為替レートなら余裕で5万円を切ってしまう価格で、SIMロックフリーの最新端末が手に入ってしまう現実が、ここにある。もちろん、開発者向けなので箱もそっけない白箱だし、何より取説の類はなく、注意書き程度に小さめの紙が2枚入っているだけ。もちろん英語でしか書いていない。そもそも開発者登録から購入にいたるまでもすべて英語、端末のメニューも(すくなくてもデフォルトは)すべて英語だから、購入を考えている方は、そこを踏まえて検討して頂きたいと思う。もちろん、中学校で習ったレベルの英語力でほとんど何とかなってしまうし、アクティベーションにしてもかなり直感的でシンプルだったから、それほど心配する必要はないのだが。

まだ、昨晩深夜に帰宅後開封し、少しさわってみたというレベルなので、別な機会に改めてレビューしたいと思うが、原因は不明ながら私のdocomoFOMAカード(緑SIM)ではどうトライしてもアクティベートできず苦戦、思い立ってSoftBankの黒SIMカードiPhoneから外してトライしたら、あっさりとアクティベートできてしまった。

筐体は材質的にもiPhoneにくらべてややチープな印象はあるが、大きさとか手のなじみ、トラックポイントの使い勝手など、これはこれでよく作られているかな、というのが初日のファーストインプレッション。しばらく使ってから、個人的な感想にはなるが、iPhoneとの比較など書こうと思っている。

*1:ソフトバンクモバイルが働きかけた、と言われているが、真相はよくわからない。